2021.9.13

お墓に水をかける?かけない?その理由と水受けや水桶の役割を解説

お墓に水をかける?かけない?その理由と水受けや水桶の役割を解説

線香やお花などと共に、仏教の教えである「五供」の一つとされている水。

水は私たちが生きるのに必要不可欠なものですが、仏様へのお供えや故人を供養する際にも深く関わりのあるものです。

仏壇を思い出すと、常に水がお供えされているのがイメージできるでしょう。

一方、お墓参りにおいては墓石に水をかける人とかけない人がいます。

その違いは、一体どこにあるのでしょうか。

本記事では、墓石に水をかける派とかけない派それぞれの理由と、お墓参りの際に使われる水関係の備品「水受け」「水桶」の使い方などについてまとめて解説します。

かける派とかけない派の理由

お墓参りに行く際、あなたはお墓に水をかけていますか、それともかけていませんか?

一般的にお墓参りには、お供え物や作法など一定のルールがありますが、実はお墓に水をかけるべきなのか、かけないべきなのかについては明確な決まりがあるわけではなく、個人の考え方によって変わるものです。

実際お墓に水をかけている人とかけていない人、その考え方にはどんな違いがあるのでしょうか。

お墓に水をかける派

お墓参りに行けば、普段からお墓に水をかけているという人たちの中では、水をかけることで「ご先祖様や故人が水を飲んでくれる」と考えているかたもいます。

仏壇に水を供えるのと同じように、お墓に清潔な水をかけることで供養するのです。

もともと仏教では、お墓に水をかけてあげることは、ご先祖様がのどが渇いて苦しんでいるのを助ける行為と考えられています。

またお墓の周りには、水すら飲めずいつも飢えている「餓鬼(ガキ)」がおり、それらはお墓にかけられた水だけは飲むことが許されているのだとか。

お墓に水をかけるという行為は、餓鬼にまで水を与えようとする仏様の慈悲の心を表しているとも言われます。

一方で、お墓参りに来たことを気付いてもらうため、という人も多くいます。

家族が会いに来たことを知ったそこに眠る方々の魂がそっと現れてくれる、そんな想いが込められているようです。

いずれにしても、水をかける時には1杯や2杯ではなく、お墓全体に行き渡るようにたっぷりと注ぎかけるようにするのが理想です。

お墓に水をかけない派

水をかける派の人たちがその行為を「供養」と捉えている一方、かけない派は水をかけるということ自体が「失礼な行為」だと捉えています。

「お墓=ご先祖様や故人」と考えれば、確かにいきなり、しかも頭から水をかけてしまうのは非常に失礼な行為になりますね。

ただし水をかけていないからと言って、お墓を汚れたままにするわけではありません。

よく濡らした冷たいタオルで直接墓石を拭いてあげることで、亡くなった方たちとのつながりを感じられるという意味もあります。

お水以外をかけるのはOK?

仏教では墓石に水をかけることは、水を飲んでもらう行為にあたるとご紹介しましたが、それなら亡くなった方が好きだった飲み物、例えばジュースやお酒などをかければもっと喜ばれるはず、と考える人もいるでしょう。

しかし、墓石は自然の石から造られていることもあり、水以外のものをかけてしまうと、思った以上に簡単にシミやサビが出てしまいます。

お墓が傷んだり、黒ずんだりすると元に戻せないので、かけるのは水に限定しておきましょう。

それでも好きだった飲み物を飲ませてあげたい、という場合はお供えという形であげましょう。

仏教では「香りを楽しむ」とされているので、一度フタを開けて供え、その後は亡くなった方を偲びながら飲むのもいいですね。

水受けの役割

お墓周りに置かれる付属品はいくつかありますが、墓石の目の前にある四角いものが「水鉢」、その両端にあるのがお花を供える「花立」です。

仏教では、仏様をはじめ亡くなった方々は私たちのように食事はせず、「浄水」と「香」つまり清らかな水とお線香の香りを好むと言われています

その清らかな水を入れるための器が「水受け」なのです。

従来は水受けには自然から汲んだ水が好ましいと言われていましたが、採取が難しい昨今は水道水を入れても問題ありません。

ただし、柄杓を使って注ぐのがマナーとされているので、手ですくって入れたり、ペットボトルから直接注ぐのは絶対にやめましょう。

普段ならヒールのある靴を履くところですが、妊娠中はヒールのある靴は控え、フラットシューズなどを選びましょう。

派手でなければ、履きなれたスニーカーでも問題ありません。

水桶の役割

お墓参りの際は、木製の水桶を使っている人を見かけると思います。

この水桶には2つの役割があり、1つはお墓を掃除する時の水を汲んでおくため、いわゆるバケツの代わりとして使われています。

もう1つは、水受けに注ぐための浄水を運ぶ役割です。

そこでお墓参りの様子をよく見てみると、ほとんどの人が水桶1つで全ての作業を行なっていることに気付くでしょう。

しかし、できれば水桶は2つ用意することが理想です。

明確な決まりがあるわけではないので、一概に1つの水桶で済ますことがマナー違反とも言い切れませんが、掃除用のバケツに入った水を相手に飲ませることは、あまり好ましくないという考えもあります。

仏様やご先祖様、故人に清らかな水を献上するためにも、水桶は分けるのが理想です。

また、水桶を2つに分けておけば、花をお供えする際にも便利です。

掃除用の水桶で花立を洗浄し、お供え用の水桶から汲んだ水で花を供えれば、お参りした方としても、気持ちの良いお墓参りとなるでしょう。

水桶が1つの場合でも、お墓の清掃後に、もう一度綺麗な水を汲みなおし、お供え用に使用することもできます。

注意点

お墓に水をかけている人もかけていない人もいますが、お参りをする人全員が水を扱うことには変わりありません。

仏教における水は非常に重要な意味を持つため、どんな時にも丁寧に扱うよう心がけることが基本です。

場合によっては、水桶を複数用意するのが難しいこともあると思いますが、間違っても掃除に使った後の水をそのまま水受けに注いだり、お墓にかけていた水が水受けに溜まっているからといってそのままにしたりするのは止めましょう。

せっかくのお墓参りですから、亡くなった方々に想いを馳せながら、落ち着いてゆっくりと水受けに清らかな水を注ぎ、対話をするような気持ちで向き合うといいでしょう。

それぞれの理由や役割を理解して気持ちのいいお墓参りをしよう

いかがでしたでしょうか。

この記事を読んでいただくことで、お墓参りで墓石に水をかけている理由や、反対にかけていない理由、また水に関係する備品などについてご理解いただけたと思います。

お墓参りに対する気持ちや方法は人それぞれですが、仏教において水は最も大切に扱うべきものであり、最低限のマナーを知っておく必要があります。

水に関係する「水受け」や「水桶」の役割もしっかりと理解し、お参りする方もされる方も気持ちよく過ごせるようなお墓参りにしましょう。

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