2023.04.22

納骨堂じまいの費用はいくら?内訳や安く抑える方法を解説

「別の場所に遺骨を移したい」「散骨したい」といった理由から、納骨堂の墓じまいを検討する方も多いのではないでしょうか。
納骨堂の墓じまいをする際には、手続きや移転にかかる費用を把握しておくことが大切です。
そこで本記事では、納骨堂じまいにかかる費用や費用を安く抑える方法を紹介します。
今後、納骨堂じまいを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

納骨堂じまいの費用相場と内訳

納骨堂じまいとは、納骨堂を解約して遺骨を別の場所に移動させることをいいます。
納骨堂じまいをする際にかかる費用の相場は、6~280万円程度です。
それぞれの費用を詳しく見ていきましょう。

行政手続き費用

納骨堂じまいをする際は、納骨していた遺骨を別の場所に移動させて供養するための行政手続きが必要です。
行政手続きに必要な書類を発行するためには、数百円から3,000円程度の手数料がかかります。
まずは、現在の納骨堂の管理者に遺骨が埋葬されていることを証明する「埋葬証明書」を発行してもらいましょう。
次に、移転先で遺骨の受け入れを承認したことを証明する「受入証明書」を発行してもらいます。
埋葬証明書と受入証明書が入手できたら、移転先の自治体に改葬許可証の発行申請をしましょう。
自治体から改葬許可証が交付されると、遺骨の移動ができるようになります。

閉眼供養のお布施

納骨堂じまいをする際は、僧侶に納骨堂の前で読経してもらい、納骨スペースに宿っている故人の魂を抜き取る「閉眼供養」をします。
宗教によっては、抜魂式や脱魂式と呼ばれることもあります。
閉眼供養のお布施は、3~10万円が相場です。
ただし、古くからの付き合いがある場合や格式高いお寺の場合は、さらに高額になるケースもあります。

離檀料

お寺の檀家になって納骨堂を使用していた場合は、檀家をやめることになるため、お寺に離檀料を支払う必要があります。
離檀料は、お寺との付き合いや地域によって異なりますが、5~20万円程度が相場です。

移転先の費用

納骨堂じまいでは、納骨堂を解約するだけでなく、取り出した遺骨を別の場所で供養しなければなりません。
取り出した遺骨を勝手に処分することは法律違反となるので注意しましょう。
移転先は複数あり、以下のように費用が異なります。

移転先の費用

納骨堂じまいでは、納骨堂を解約するだけでなく、取り出した遺骨を別の場所で供養しなければなりません。
取り出した遺骨を勝手に処分することは法律違反となるので注意しましょう。
移転先は複数あり、以下のように費用が異なります。

移転先 費用相場
墓石のお墓 80万~250万円
合祀墓 3万~30万円
納骨堂 10万~150万円
樹木葬 20万~80万円
散骨 5万~70万円

移転先を勝手に決めると、あとで親族ともめてしまう可能性があるので、よく話し合ってから移転先を決めましょう。

納骨堂じまい費用を安く抑える方法

納骨堂じまい費用で大部分を占めるのが、移転先に支払う費用です。
そのため、合祀墓や散骨を選択することで、納骨堂じまいの費用を抑えられます。
ただし、合祀墓は複数人の遺骨をひとまとめにして埋葬するため、あとで遺骨を取り出して他の場所に移すことができなくなってしまいます。
また、遺骨を粉砕して海や山に撒く散骨をすると手元に遺骨が残らず、あとで後悔したり親族とトラブルになったりする可能性があるので注意が必要です。
移転先は親族で話し合って全員が納得する方法を選択しましょう。

納骨堂じまい費用が払えないときの対処法

費用を抑えられる移転先を選んでも、納骨堂じまい費用が払えないときの対処法を紹介します。

親族に相談する

納骨堂じまいの費用は、基本的に区画の名義人が支払います。
しかし、必ずしも1人で負担しなければならないわけではありません。
費用が高額で払えないときは、1人で悩むのではなく親族に相談してみましょう。
遺骨は親族で協力して守っていくものであるため、複数人で費用を負担する方法もあります。
なお、納骨堂じまいについての了承を得られていなければ費用面で協力してもらうのが難しくなります。
そのため、納骨堂じまいを相談する際は、なぜしなければならないのか、自身がどのように考えているのかを事前に親族に伝えておくとよいでしょう。

離檀料の相談をしてみる

離檀料は、5~20万円という相場はあるものの、明確に金額が決まっているわけではありません。
住職の言い値で決まることが多いため、資金面の事情を説明したうえで、費用を抑えられないかを相談してみましょう。
住職によっては、事情を考慮した金額に抑えてくれる可能性があります。

まとめ

納骨堂じまいをするためには、数万円から数百万円の費用がかかります。
移転先に支払う費用が大部分を占めるため、合祀墓や散骨を選択することで費用を抑えられます。
ただし、遺骨は親族全員で大切にしていくものであるため、よく話し合ってから供養方法を選びましょう。
納骨堂じまいの費用を払えない場合は、親族と協力して出し合ったり、離檀料の相談や閉眼供養の省略したりすることを検討するのも手段の1つです。

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