2023.04.22

墓じまいと永代供養の違いとは?費用相場と流れを解説

お墓参りに行く時間が確保できなかったり継承者がいなかったりすることを理由に「墓じまい」や「永代供養」という言葉を耳にする方も多いのではないでしょうか。
墓じまいと永代供養は意味が異なるため、それぞれの違いを知っておくことが大切です。
この記事では、墓じまいと永代供養の違いや、それぞれの費用相場を解説します。
お墓の管理が難しくなってきて墓じまいや永代供養を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

墓じまいと永代供養の違い

墓墓じまいと永代供養をする際は、それぞれがどのような意味をもっているのかを知っておくことが大切です。
まずは、墓じまいと永代供養の違いを理解しておきましょう。

墓じまいとは

墓じまいとは、所有しているお墓を解体して墓地を更地に戻し、寺院や霊園に返すことです。
お墓を管理するのが難しくなった場合は、放置するのではなく遺骨を取り出して別の場所で供養する必要があります。
墓じまい後の供養方法には、以下のような選択肢があります。

  • ● 別の場所でお墓を購入する
  • ● 合葬や樹木葬で永代供養する
  • ● 散骨や手元供養をしてお墓を所有しない

供養方法によってかかる費用や今後の管理方法が異なるため、親族と話し合って決めましょう。

永代供養とは

永代供養とは、寺院や霊園などが永代にわたって遺骨の供養をしてくれる方法をいいます。
お墓は、本来先祖代々受け継いで管理していくものとされていますが、少子高齢化やお墓に対する考え方の変化に伴い、お墓を継ぐ人がいなくなったり、高齢でお墓参りに行くのが難しくなったりして管理できなくなる問題が起きています。
お墓を管理するのが難しくなったときに墓じまいをして永代供養すれば、寺院や霊園が決められた期間まで供養してくれます。
永代供養の期間は33回忌までとされているケースが多いものの、依頼内容によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

墓じまい後に永代供養するメリット

墓じまい後に永代供養をすると、継承者に悩む必要がなくなったり、寺院に法事を任せられたりするメリットがあります。
ここでは、墓じまい後の供養方法として、永代供養を選択するメリットを紹介します。

継承者に悩む必要がない

お墓は代々引き継いで大切にしていく必要がありますが、少子高齢化やお墓に対する考え方の変化で、継ぐ人がいないケースも増えています。
永代供養を選択すれば、お墓の所有者の代わりに寺院や霊園が供養を続けてくれるため、継承者がいなくても問題ありません。
お墓を継ぐ人がいなくなっても故人が供養されるため、親族の安心にもつながるでしょう。

手を合わせる場所が確保できる

墓じまい後に永代供養をすれば、墓石がなくなったあとも手を合わせてお参りする場所が確保できます。
遺骨を粉砕して海や山に撒く散骨を選択すると、手を合わせる場所がなくなってしまいます。
そのため、墓じまい後も定期的にお墓参りをしたい方は、永代供養を選ぶのがおすすめです。
ただし、お供え物を置いたり線香を焚いたりすることができないなど、お参りの仕方に制限が設けられている場合があるので注意しましょう。

法事をする必要がない

永代供養では 寺院や霊園が遺族の代わりに供養してくれるため、遺族が法事を行う必要はありません。
しかし、遺族が希望すれば法事を執り行うこともできます。
法事は親族が集まって故人の冥福を祈る大切な行事であるため、親族と相談して法事をするかを決めましょう。

墓じまいと永代供養にかかる費用

墓じまいから永代供養をするまでにかかる費用の相場は50~150万円です。
墓じまいと永代供養の費用をそれぞれ詳しく解説します。

墓じまいの費用

墓じまいをする際にかかる主な費用は、墓石の撤去や閉眼供養、離檀料の3つです。
それぞれの費用相場は、以下のとおりです。

墓じまい費用の内訳 費用相場
墓石撤去 1平方メートルあたり10万〜15万円
閉眼供養のお布施 3~10万円
離檀料 無料~20万円

墓石の撤去費用は依頼業者や寺院、霊園によって異なります。
離檀料は檀家をやめる際に感謝の気持ちを表すための費用で、必須ではありません。
しかし、離檀料を支払わないことでトラブルに発展することもあるため注意が必要です。

永代供養の費用

永代供養にかかる費用は、お墓の種類によって以下のように異なります。

永代供養墓の種類 特徴 費用相場
合祀 複数人の遺骨をまとめて埋葬する 5~30万円
樹木葬 墓石の代わりに樹木や花を墓標とする 30万~70万円
納骨堂 屋内に遺骨を納める 50万~100万円
個人墓 個別に墓石を建てて供養する 50万円~150万円

なかには、合葬されるまでに年間管理料がかかる場合があるので、どのようなシステムとなっているのかを確認しておくことが大切です。
なお、個人墓を選択しても、一定期間を過ぎるとほかの遺骨と合葬され、合葬後は遺骨を取り出せなくなる場合があるので注意しましょう。

墓じまいから永代供養までの流れ

墓じまいから永代供養までは以下の流れで進めます。

  • 1.親族に相談する
  • 2.寺院や霊園に墓じまいをする旨を伝える
  • 3.永代供養先を決める
  • 4.墓じまいをするための行政手続きをする
  • 5.墓石撤去業者を探す
  • 6.閉眼供養をして墓じまいする
  • 7.永代供養をする

お墓の所有者が独断で墓じまいや永代供養をすると、あとで親族ともめてしまう可能性があるので、親族とよく相談してから手続きを進めましょう。
墓じまいをする時間が確保できない方は、墓じまい代行業者を利用するのも1つの手段です。
代行業者を利用すれば、墓石の撤去や行政手続きなどの作業を代行してもらえるのでおすすめです。

まとめ

お墓を管理していくためには、管理料を支払ったり定期的にお墓参りに行ったりする必要があります。
お墓参りに行くのが難しくなったり、お墓を継ぐ人がいなくなったりした場合は、お墓を放置してしまうのではなく、墓じまいをして永代供養するのがおすすめです。
親族とトラブルになるのを防ぐためにも、永代供養は親族とよく話し合ったうえで進めましょう。

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