2021.12.2

住んでいるエリアで入れ方が違う!お墓に遺骨を入れる時はここに注意

大切な人が亡くなり、葬儀や火葬を終えた後、日を追って四十九日や一周忌法要が執り行われます。
その際、ほとんどの人が手元で保管していた遺骨をお墓に納めます。
しかし遺骨の入れ方はいくつかあり、住んでいる地域や宗派などによって方法も異なるため、よく理解しておかなければなりません。
本記事では、納骨方法やエリアによる違い、遺骨を入れる納骨堂の仕組みなどについて詳しく解説します。

納骨方法は大きく分けて3種類

四十九日や一周忌の法要が終わったタイミングで、お墓に遺骨を入れるのが一般的です。
その際、遺骨の入れ方は大きく分けて3つあります。

骨壺を使う

全国的に最も多いのが、骨壺に入れたまま納骨するパターンです。
遺骨を全て入れる場合と、一部を残して入れる場合で大きさに違いが出ます。
骨壺の大きさは「寸(すん)」の単位で表し、1寸は約3.03cmで計算されます。
納骨の際は、円柱の直径が15~20cmほど、つまり5~7寸の骨壺が使われるのが一般的です。

納骨袋を使う

骨壺の代わりに、綿でできた納骨袋を使って納骨をします。
骨壺に入った遺骨を一旦取り出し、納骨袋に入れ替えてお墓の中に入れます。
通気性がよくカビなどの発生を抑える効果があるとされ、お寺や霊園で納骨袋の使用を義務化しているケースもあります。

お骨だけ納める

お骨を「自然に戻すもの」と捉え、骨壺や納骨袋から出した遺骨だけを入れる人もいます。
当然、ご先祖様たちの遺骨と混ざり合いますが、家族が一緒になるという意味で問題ないと考えられています。

納骨方法はエリアや宗派によってさまざま

納骨するエリアや宗派などにさまざまな理由で納骨方法が異なるのと同じように、骨壺や骨壺を入れる納骨室のサイズにもそれぞれ特徴があります。

骨壺や納骨室にも特徴がある

お盆には、全国各地で恒例行事が行われ、テレビなどで観たことがある、という方も多いはずです。
ここでは、その一部をご紹介します。

骨壺の違い

東日本と西日本では、遺骨を入れる骨壺の大きさが驚くほど違います。
前提として、関東を含む東日本では火葬した後全ての遺骨を骨壺に入れますが、関西を中心とした西日本では頭骨、胸骨、喉仏など一部の遺骨だけを拾います。
骨壺の大きさは納める遺骨の量によって決まるため、そもそも東日本では骨壺が大きく、西日本では小さいのです。
東日本で主に使われているのが7~8寸の壷で、円柱の直径は約22~25cmとなっています。
一方、西日本では4~5寸の壷が一般的で、約12~15cmと大きさも小ぶりになります。
骨壺を選ぶ際、さまざまな大きさのものが用意されているのはそのためです。

納骨室の違い

骨壺の大きさに合わせて、納骨室の広さも変わります。
墓石の下方には、遺骨が入った骨壺を納めるための空間が用意されており、その空間を納骨室と呼んでいます。
東日本では、先祖代々の大きな骨壺を納めるために納骨室も広く作られ、納骨の際は人が中に入って作業ができる造りとなっています。
一方、西日本でお墓を建てる際には、深さがなく幅広の納骨室を作り、実際に納骨する際は小さな穴に手を伸ばして遺骨を納めます。
ここで注意すべきは、納骨するために遺骨を遠方に持って帰る場合です。
西日本で収骨した遺骨を東日本にあるお墓に納骨するのであれば、特に問題はありません。
しかしその逆となると、骨壺が大きすぎて納骨室に入らないといったトラブルが起こる可能性があるのです。
関東で火葬し関西へ持ち帰るという方は、注意しましょう。

構造の違い

納骨室の構造自体にも違いがあります。
東日本の場合、納骨室の床部分はコンクリートで作られています。
一方、西日本ではほとんどの納骨室の床部分は、地面の土をそのまま使用するスタイルです。
これは、関西を中心に昔から言われている「お骨を土に還す」という考え方に基づいたもので、骨壺から納骨袋に入れ替えるのも同じ理由とされています。
より土に還りやすいように、あえて納骨室に雨風が入り込むような造りになっているケースも珍しくありません。
何千年も昔の化石が見つかるほどなので、実際どれほどの時間が経てば土に還るのか、という問題はありますが、袋で納骨する分、東日本の納骨に比べると大人数の遺骨を納めることが可能です。

お墓のカロ-トってどんなもの?

カロートとは、これまでに紹介した納骨室のことを指しています。 他にも「納骨棺」や「石棺」など、地域や人によって異なる呼び方があります。

カロートの開け方

東日本と西日本で納骨室、つまりカロートの造りが異なると紹介しましたが、当然その開け方にも違いがあります。

東日本の場合

注意点として、関東を中心とする東日本のお墓では、カロートが大型となるため、一人で作業をすることはできません。
カロートを開く際は、複数人で行うことが大前提です。
お墓は一見、墓石が建っているように見えるだけですが、地下にはカロートがあります。
まずは、墓石の手前にある香炉を持ち上げて移動させましょう。
香炉をずらすと、その下に観音開き式の石扉が現れ、開くとカロートが現れます。
開くと言っても、石扉は50kg以上あるものがほとんどなので、一人で軽々と開けられるものではありません。
片側にバールなどを挟んで隙間を作り、何人かで持ち上げると安心です。
お墓に傷を付けてしまうと修復が困難であったり、そこから腐敗が進んだりする可能性があるため、作業は必ず丁寧に行ってください。

西日本の場合

西日本のお墓は、カロートを開くのが非常に簡単です。
香炉や花台を横にずらすと小さな空間があり、その先にカロートがあります。
カロートの入り口に、蓋として水鉢や供物台を設置されている場合は要注意です。
それらが相当の重さになることもあるので、動かす際は油断しないように注意しましょう。

丁寧な作法を心掛けることが大切

単純にカロートの開き方について紹介しましたが、実際にカロートを開く際はもう少し複雑です。
昔から、お墓に悪さをするとバチが当たる、などと言われてきました。
今も言い伝えを信じている人が多く、何の挨拶もなくいきなりカロートを開くのはマナー違反にあたるのです。
カロートを開く際、最も丁寧なのは僧侶に供養を依頼する方法です。
ちょうど法要に合わせて納骨する場合は、基本的に僧侶が立ち会ってくれるでしょう。
それ以外の機会で「わざわざ依頼するのも・・・」と思われる方は、通常のお墓参りの段取りを踏めば問題ありません。
大切なのは、ご先祖様に対する気持ちです。
お花を供え、お線香を焚いて挨拶を済ませてからカロートを開きましょう。

意外と心配事の多いカロートの内部

カロートの開き方は分かったものの、カロートの内部がどんな状態なのか知っておかないと開けるのには少し勇気がいりますよね。
実は、カロートの内部は雨風が入ってしまう構造になっていることがほとんどです。
そのため、クモやムカデの住処になっていたり、大きなハチの巣ができあがっていることもしばしば。
中には、雨が溜まって遺骨が浮いているなんてケースも、決して珍しくありません。
納骨作業を業者に依頼する場合は、納骨の日までにそれらを取り除いて綺麗な状態に戻してくれています。
しかし、長年開けたことのないカロートを自身で開ける場合は、手袋や長袖の服など、必ず最低限の防護を用意して作業しましょう。

お墓への納骨方法や地域ごとのお墓の違いについてのまとめ

いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、お墓に遺骨を納める際の入れ方や、住んでいるエリアによるお墓の違いなどについてご理解いただけたと思います。
昔から各地で受け継がれてきたお墓のしきたりですが、初めてお墓を建てる人や違う土地から引っ越してきた人にとっては戸惑うことも多いでしょう。
この機会に、地域による納骨方法の違いやカロートの開け方などを一通り知っておくと安心です。

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