2021.9.13
お墓って必要?今こそ知ってほしい意味やお墓を建てる目的を徹底解説
ご先祖様や故人とのつながりを感じたり、見守ってくれていることへの感謝を想ったり、と人々にとってお墓は欠かせない場所として存在してきました。
このように先祖代々受け継がれることが当たり前だった「お墓」ですが、核家族化が急激に進む中、すでにあるお墓やこれから建てるお墓についてどうすべきか考えている人が増えています。
では、なぜお墓は必要なのでしょうか。
この記事では、知っておくべきお墓の必要性や目的、お墓にある付属品の意味についてご紹介します。
目次
お墓の存在意義
人々の階級に関係なく、万人がお墓を建てることが風習になったのは江戸時代以降だと言われています。
しかし、日本国内のあちこちに古墳が点在することから、すでに縄文時代には亡くなった人を埋葬する習慣があったことは明らかです。
仏教の教えとともに「火葬」が広がったところに、徳川幕府下で寺院と地域住民の関係性が強くなり、そこから一般庶民もお墓を建てるようになりました。
このように想像もつかないほど長い間、日本人にとってお墓はなくてはならない存在だったのです。
とはいえ、誰もが現代のような立派なお墓を建てられたわけではなく、当時は川原で拾った石を積み上げた簡素なものでした。 明治時代に入り、初めて墓地として土地が整備され、家長となる長男が墓守りとされたのもこの頃からです。
故人とのつながりを感じられる場所とするお墓への想いは昭和を経て現代にも受け継がれています。
核家族化が進む中、特に都心ではそういった想いも薄れつつあると言われていますが、今の自分があるのは両親、さらにはご先祖様のお陰ということを改めて思い返せば、お墓がいかに大切な存在であるか気付くことができるでしょう。
墓石の付属品の意味
単に墓石さえ置けば「お墓」と呼べるというわけではなく、お墓にはなくてはならない付属品がいくつかあります。 墓石と付属品を合わせて祀ることで本来のお墓としての意味を成すものとなるので、しっかりと確認しておきましょう。
水鉢
故人や仏様に水をお供えするための入れ物のことを水鉢といいます。
宗派によって由来は諸説ありますが、基本として「いつも水を絶やさない」という意味があると言われています。
墓石の手前中央に設置される水鉢には、その中央に水を入れるためのくぼみがありますが、深さが明確に決められているわけではありません。
通常数cmとなっているので、お墓参りの際には溢れない程度に一杯まで水を張りましょう。
一方、浄土真宗や神道など水鉢を必要としない宗派もあります。
その場合は、水鉢の代わりにお供え物を置くための「供物台」を設置するのが一般的です。
香炉
墓石の付属品の中でも、水鉢と並んで重要と言われています。
仏教の教えでは「仏様はきれいな水といい香りを好む」とされており、水鉢と香炉は先祖供養のために欠かせない付属品です。
従来のお墓はお香をそのまま立てる「香立て」があるのが一般的でしたが、天候などでお香が消えてしまうことも多いため現在はほとんどが炉の形となっています。
香炉にはデザイン性の高いものが多く、お墓の印象を左右するアイテムとも言えます。
立置型やアーチ型など、扉付きなどバリエーションが豊富なので、宗派やお墓全体に合ったものを選ぶのがポイントです。
花立
お墓参りをする際には対になったお花を用意し、水鉢の左右に飾るのが一般的です。
厳しい環境下でも美しく咲き続ける野花は、厳しい修行に耐えて悟りを開くという仏教の教えに相通じるものがあるとされており、そういった考え方から仏様にお花を供えるようになったと言われています。
またお花を供えることで、遺族も心穏やかに故人を弔うことができるでしょう。 花立の選び方に明確なルールはありませんが、素材や取付方法によっていくつか種類があります。
最近はプラスチック製の安価なものもありますが、雨や風にさらされて劣化が目立ちやすくなるので、頻繁に掃除やメンテナンスができない場合はステンレスやアルミなどがおすすめです。
大きさは墓石や水鉢とのバランスを考えて、適切なものを用意しましょう。
ろうそく立て
暗闇を明るく照らしてくれるろうそくは、お墓でも重要な役割を担っています。
仏教では火は神聖な存在とされており、お墓や仏壇にろうそくを灯すことで不浄なものを清めるとされています。
また、地域によってはお盆や彼岸の時期に「迎え火」として火を焚く場合もあるでしょう。
これは、ご先祖様が迷わずこちらへ戻ってこられるための道しるべと考えられているものです。
他にも、ろうそくを灯すことで周囲が明るくなり、故人やご先祖様にお墓参りに来た家族の姿がよく見えるなど、ろうそくには色々な意味合いがあります。
お墓を建てる目的
お墓を建てる目的は人それぞれですが、その中から代表的なものを三つご紹介します。
故人の家
お墓は、故人がそれまで暮らした住居に代わる「第二の家」になると言われています。
何らかの理由でお墓を動かさない限り、その場所で何十年、何百年と過ごすことになるでしょう。
お墓を建てる際に、広さや日当たりなどを気にするのはそのためです。
「静かに眠ってほしいから」と緑が多くよく手入れされている霊園を選ぶ人もいますし、「賑やかなのが好きだったから」と自宅からの距離を優先して選ぶ人もいます。
新しくお墓を建てる場合は、家を選ぶように条件を絞っていくと決めやすいでしょう。
遺族のため
お墓は故人が安らかに眠る場所である一方で、残された家族の心の拠りどころという非常に大きな役割も担っています。
多くの人がお盆やお彼岸、命日などにお墓参りをしますが、それはお墓に足を運ぶことで、故人とのつながりを感じられるからです。
つまりお墓は、今を生きる家族が、会えなくなってしまった大切な人と再会できる場所でもあるのです。
またお墓は、先祖代々つながりを大切にしてきたことのシンボルと言われることもあります。
強硬な石に家名や故人の名前が刻まれ、雨風にも動じない墓石は非常に力強い存在で、まるでいつまでも変わらない家族の関係を表しているようです。
遺族はお墓を建てることで「いつも守ってくれている」そんな気持ちになれるのでしょう。
遺骨の保管
大切な人が亡くなってしまった時、どうしても離れたくない、と遺骨の自宅保管を希望する人もいるでしょう。
それ自体は特に法律で定められているわけでもないので、許可等なく保管が可能です。
しかし、気持ちの整理がついていざ納骨しようと考えた時にお墓がないと、遺骨を納める場所に困ってしまうかもしれません。
そんな時、お墓が故人の遺骨を保管する場所となります。
お墓を建てておくことで、いつでも故人と会うことができ、また先祖代々のお墓であれば、亡くなった人も寂しい思いをせず長い年月を過ごせるのです。
自分でお墓参りができない時はお墓参り代行サービスを活用しよう
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、お墓を建てる意義やその役割についてご理解いただけたと思います。
故人と家族にとって大切な存在となるお墓ですが、中には頻繁にお参りに行けないことを気にしている方もいるでしょう。
そんな時は、お墓参り代行サービスがおすすめです。
家族に代わってお供え物や掃除をしてくれるので、仕事や遠方で足を運べない人も安心です。
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