2021.12.1

お墓参りの線香には意味がある?使う本数やルールについて詳しく解説

お墓参りをする際は、掃除道具やお供え物などを持参しますが、中でも忘れてはいけないのが線香です。
あまり深く考えずにただ火を付けている人もいると思いますが、実はこの線香は重要な役割を担っています。
重要な役割を持つということは、それに伴って線香を扱う際のルールも知っておかなければなりません。
本記事では、墓前ではなぜ必ず線香を用意するのか、またその際はどんなことに気を付けなければいけないのか、などについて詳しく解説していきます。

お墓参りで必ず線香を焚くのはなぜ?

そもそも、なぜお墓参りには線香が必須アイテムなのでしょうか。
それには諸説あるのですが、大きく分けて三つの理由があるとされています。
一つは、ご先祖様や故人にお墓参りに来たことを知らせるためです。
お墓は、私たちが亡くなった後の住処とされている存在です。
誰しも普段誰かを訪ねる時、いきなりドアを開けて中に入るようなことはせず、ノックやチャイムで到着したことを知らせるはずです。
それと同じで、お墓参りに訪れたことに気付いてもらうために、まずは線香を使って煙を出すのです。
もう一つは、仏教の教えによるものです。
仏教では、仏様や故人は現世における食事の代わりに線香の香りを食すと言われています。
これを「食香(じきこう)」といい、墓前で線香から煙を出すことは、良い香りを食べていただく行為となります。
人が亡くなってから四十九日の法要までは線香を焚き続けるのが通説ですが、これも同じように「故人があの世で食事に困らないように」という願いが込められています。
最後は、自分自身のお清めのためです。
元来、線香には邪気を払う効果があると信じられてきました。
それはお墓を含むモノだけでなく人に対しても同様で、線香の煙が人間の中にある悪い気や心持ちを払い去り、清らかな状態に戻してくれるといわれています。
こういったさまざまな意味合いを理解した上でお墓参りをすれば、一段とご先祖様や故人とのつながりを感じられることでしょう。

お墓参りで線香を使用する時のルール

お墓参りで、なぜ線香を用意するのかについてご紹介しました。 次は、実際に線香を焚く際の決まりごとについて理解しておきましょう。

線香は何本あげる?

実は、お墓参りで線香を何本焚くかは信仰している宗派によって異なります。
お墓参りに行く際は、できるだけその家の宗派について知っておきましょう。
また、お墓のある地域によって本数が変わることも珍しくないので、心配であれば事前に確かめておくと安心です。
ここでは、どの宗派が何本、どのように線香を立てるのか、について分かりやすく表にまとめました。

宗派 本数 立て方
真言宗 1本 墓石側に2本、
自分側に1本立てて逆三角形にする。
浄土宗 1~3本が基本 本数に決まりはなく、香炉の中央に立てる。
浄土真宗 1本 香炉の大きさに合わせて2~3回折り、寝かす。
天台宗 3本 墓石側に2本、
自分側に1本立てて逆三角形にする。
日蓮宗 1本または3本 1本の場合は中央に、
3本の場合は逆三角形に立てる。
臨済宗 1本 香炉の中央に立てる。
曹洞宗 1本 香炉の中央に立てる。

置く向きに決まりはある?

線香を寝かせて供養する場合は、煙が出ている方を自分から見て左側に来るように置きましょう。
基本的に線香は立てて使用する宗派が多いですが、中には「寝線香」といって線香を寝かせて使う宗派があります。
先に書いた通り、寝線香の場合は煙が出ている方を左に向けて置くのが一般的ですが、地域によっては右向きを基本とするところもあります。
線香を立てるのか寝かすのか、どちら向きにすべきなのかが分からない時には、まず他の人が行うのを待って、それに倣うのが一番安心です。

どうやって線香に火をつけたらいいの?

従来の方法を守るとすれば、まずはろうそくに火をつけ、その火を線香に移すのが正しい方法です。
しかし、最近ではろうそくに火をつける手間を省いてライターなどから直接火を付けるという人も少なくありません。
これが仏壇であればマナー違反となるところですが、屋外でしかも風が強くてろうそくの火が維持できない場合などは、ライターを使用しても問題ないとされています。
ただ、そもそも線香は普通のライターではなかなか着火しにくく、長時間使用していると熱くなりヤケドをしてしまう恐れもあります。
そんな時は、線香用の着火ライターを持参するのもおすすめです。
火力が強く、防風用の工夫も施されているので、風が強い日でも手間取らずに火をつけることができます。

消し方にも決まりがある

線香の火を消す際、絶対にフーっと息を吹いて消すことだけは避けなければなりません。
というのも、仏教の教えにおいて、悪行にまみれた人間の息は汚れたものとされており、そんな息で線香の火を吹き消すことは失礼に当たるといわれているのです。
そのため線香の火を消したい場合は、手に持った線香を下方にさっと振る、あるいは手で仰いで消すようにしましょう。
最近は専用の線香消しも販売されているので、気になる方はホームセンターなどで探してみてくださいね。

線香を束のまま置くのはNG?

結論から言うと、線香を束でお供えすることはマナー違反にはなりません。
そもそも販売されている線香を思い出すと、すべて紙で巻かれて束単位で売られています。
お墓参りに行く際も、バラさずに束ごと持っていくケースがほとんどでしょう。
先にご紹介した通り、宗派によって焚く線香の本数は一応決められていますが、多めに煙を出したい時やその場で使い切ってしまいたい時などは束のまま線香を焚いてもいいのです。
ただし、束のまま使用する際も巻き紙は外しておくのが原則です。
昔から「線香の火は消さないもの」「燃え尽きるまでそのまま」というのが一般的ですが、燃えカスがお墓にこびりついてしまったり、巻き紙から飛び火して火事になったりするケースも少なからずありました。
そういった事態を引き起こさないためにも、巻き紙を外すことを徹底しましょう。

お墓参りで線香を焚く際はここに注意しよう

お墓参りで線香を焚く場合、最も気を付けなければならないのが火の始末です。
線香が全て灰になるのをその場で見届けるなら問題はありませんが、そうでない場合は特に注意が必要です。
最近は防災などの理由から、墓前で線香を焚いたとしても、帰る際には使用した線香を持ち帰るよう定められている墓地が増えています。
線香はろうそくのように燃えるわけではなく、火が付いているかどうかの確認がしづらいものです。
一見消火されていると思っても、実は火がくすぶった状態になっている可能性もあるので、必ず水で消火作業を行ってから持ち帰りましょう。

お墓参りの線香の意味やルールについてのまとめ

いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、お墓参りにおける線香の役割や実際に線香を焚く際のマナーなどについてご理解いただけたと思います。
線香一つとってもさまざまなルールがあるため、仕事などでなかなか時間が取れない人にとってはお墓参り自体がハードルの高いものになってしまいがちです。
そんな時は、丸ごとお任せできるお墓参り代行サービスもおすすめです。
「手間や時間はかけたくないけど、きちんとお墓参りがしたい!」という方は、ぜひ一度ご検討ください。

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