2021.12.2

卒塔婆や塔婆って何?名前の由来や処分方法まで全部まとめて解説!

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お墓参りや法要の際、何やら見慣れない文字が書かれた細長い木の板を見たことがあるのではないでしょうか。
あれらは「卒塔婆」あるいは「塔婆」というものですが、その意味や由来について説明できるという方は年々減っています。
そこで今回は、卒塔婆や塔婆について名前の由来、役割から処分の仕方までご説明します。
それを知れば、お墓参りや法要に対する気持ちも変わるかもしれません。

どうしてそんな変わった名前なの?

卒塔婆や塔婆の語源は、古代インドの言語であるサンスクリット語の「ストゥーパ」です。
仏教の生みの親であるインドでは、お釈迦様の遺骨を納めた塔のことをストゥーパと呼んでいます。
その単語がはるばる中国に渡り、中国人によって「卒塔婆」という当て字が付きました。
その後巡り巡って日本に辿り着き、瞬く間にそのまま国内の隅々まで広がったのです。
ちなみに卒塔婆と塔婆は同じで、いつの間にか言いやすいように略されただけのようです。 卒塔婆が伝わった日本では、平安時代の末期から鎌倉時代にかけて、ストゥーパを模した板をお墓の横に立てる慣わしができました。
人々はその立て板を「板塔婆(いたとば)」と称し、故人の冥福を祈ったのです。
その様子が今も続いていると思うと、日本人の仏教への想いや信仰心の強さがうかがえますね。

卒塔婆の変化

元はお釈迦様のお骨を納骨するための豪勢な仏塔でしたが、日本に伝わった頃、一般の民間人は財力も土地も持ち合わせていませんでした。
そのため、手頃な石を積み、卒塔婆に見立てた木の板を利用しました。
その流れが今のお墓のスタイルとして定着したのです。

卒塔婆が意味すること

卒塔婆は亡くなった人の冥福を祈るのに欠かせない存在です。
墓石に「〇〇家之墓」と彫られるのに対し、卒塔婆には故人が亡くなった時に付いた戒名が記されます。
また、仏教には「善を積む」という教えがあります。
卒塔婆を用意して故人の冥福を祈ることをよい行いと捉え、そうすることで自分にも徳が巡り返ってくるという考え方です。
このようにご先祖様や故人とのつながりを深く感じることができる卒塔婆ですが、浄土真宗だけは例外です。
というのも、浄土真宗において人は死後まもなく阿弥陀仏のお導きで極楽浄土へ行くという考え方です。
そのため、卒塔婆によって冥福を祈ったり、それによって生きている人が徳を積むという考え方自体が存在しないのです。

独特な形に意味はある?

卒塔婆をじっくり見ると、5つに区切られているのが分かります。
1番下の細長い部分が「地」、そこから上に向かって順に「水」「火」「風」「空」の意味があります。
実はこれは五重塔をモチーフに成形したといわれており、仏教ではこの5つの要素が人間が生きる上で重要な役割を持つとの教えがあります。

あの記号のような文字って何?

卒塔婆に書かれる記号のような文字は、仏教における「梵字(ぼんじ)」というものです。
内容は、宗派や土地柄などによって異なりますが、梵字の下に戒名や亡くなった日などが並び、背面には供養する日時や施主の名前などが記されるのが一般的です。

卒塔婆はいつ立てる?

結論から述べると、卒塔婆はいつ誰が立てなければならないというルールはありません。
例えば前回のお墓参りから時間が経っていて、ただ「汚れているから」という理由で新しく卒塔婆を作成してくれるよう頼んでもいいのです。

迷ったら節目がおすすめ

卒塔婆は、いつ誰が立てても問題ないと先述しました。
しかし、それだとオープン過ぎて逆に段取りするタイミングが分かりづらいという方もいるかもしれません。
そんな時は、一周忌や三回忌、またはお盆やお彼岸など法事が開かれる節目に作り直すと決めておくことで、いつまでも気に負う心配がありません。
また、もし何らかの理由で法要に参加できない場合も、卒塔婆を頼んでおくことは可能です。
費用としては1本につき2,000〜10,000円が相場で、金額については大抵お寺ごとに決まりがあります。
金額が分かりづらいお布施とは違い、卒塔婆料は直接聞いても失礼にはならないので、遠慮せず確認しましょう。

誰に頼めば書いてもらえる?

お墓を管理している寺院の住職や管理人にお願いするのが通例です。
お寺以外の霊園などの場合も、管理事務所に出向いて聞いてみましょう。
なお、卒塔婆は頼んですぐに書き上げてもらえるわけではなく、事前にお願いしておけば、法事に合わせて作成してもらえます。
また契約時に説明があると思いますが、多くのお墓を管理する墓地では、卒塔婆の受付時期があらかじめ決まっているケースもあります。
うっかりして当日に間に合わなかった、といった事態に陥らないよう、計画的に段取りを進めることを心掛けましょう。
直接ではなく電話でお願いする際は、故人の氏名や命日、卒塔婆の本数などを正確に伝えます。
卒塔婆は「何人かで1本」というお願いの仕方もできるので、その場合も早めに話し合いっておきましょう。

卒塔婆は繰り返し使える?

目に見える形で「供養」として用いる卒塔婆ですが、お墓とは異なりずっと使い続けることはできません。
そのご利益、仏教でいう「功徳(くどく)」はその一日のみとされ、法要が終われば処分してしまうのが本来の在り方です。
とはいえ、法要が終わるのと同時に片付けるケースは少なく、現実は次の法事までそのままの状態にしてあることも少なくありません。
しかし、卒塔婆は薄い木製のため、屋外に置いておくと著しく劣化してしまいます。
景観が悪くなるだけでなく、風に飛ばされてトラブルを引き起こす可能性もあるため、ルールに従ってきちんと廃棄する必要があります。

卒塔婆はどうやって処分するの?

実際は「卒塔婆を自分で片付けたことなんてない」という方も多いと思います。
お寺で法事を行う場合、法事で使用した卒塔婆は敷地内にあるお墓に一旦移されます。
そして、一定の期間が過ぎればお寺が片付けてくれるケースも多いため、処分の仕方を知らない人も多いのです。
一方、霊園や公営墓地などにお墓を建立している場合は、家族が責任を持って片付けるのがマナーです。
しかし、普通のゴミに出すのは倫理的にもはばかられるでしょう。
そんな時は、法事をお願いした寺院に依頼してお焚き上げをしてもらうのが最適な処分の仕方です。
事前に連絡して預けに行くのが一般的ですが、中にはそれに合わせて魂・お性根抜きの儀を執り行ってくれることもあります。
いずれにしても、役割を終えたとはいえ、卒塔婆は故人の冥福を祈る気持ちが込められたものです。
最後まで故人に向けた感謝の気持ちを忘れず、大切に扱いましょう。

卒塔婆や塔婆についてのまとめ

いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、卒塔婆・塔婆の意味や名前の由来、処分の仕方などについてご理解いただけたと思います。
何気なく目にしていた卒塔婆も、その意味を知れば見方が変わってくるでしょう。
仏教の教えを意識することで、より故人に寄り添った供養ができるはずです。

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